アドラー心理学に於ける恋愛観・結婚観について

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アドラー心理学はオーストリアの精神科医であり心理学者であるアルフレッド・アドラーによって提唱された心理学の一分野であり、その思想の根幹には「個人心理学」と呼ばれるものがあります。アドラー心理学は、自己の成長や自己実現、社会的な関係性、共同体感覚といった側面を重視するため、恋愛や結婚といったテーマに対しても非常にユニークで包括的な視点を提供します。ここでは、アドラー心理学の視点から恋愛観と結婚観について論述します。


アドラー心理学の基本概念
 アドラー心理学の恋愛観や結婚観に触れる前に、まずアドラー心理学の基本的な概念を押さえる必要があります。その中でも特に重要なのが「目的論」「劣等感」「共同体感覚」です。これらの概念はアドラー心理学全体を理解する上での柱であり、恋愛や結婚に関する見解にも大きな影響を与えています。


目的論
 アドラー心理学における目的論は、人間の行動や感情が何かしらの「目的」に向かっているという考え方です。すなわち、人は過去の経験や出来事によって行動が決まるのではなく、未来の目標や望む結果に向かって行動するということです。恋愛や結婚においても、人はその関係性を通じて何かしらの目的を達成しようとします。アドラーによれば、恋愛関係や結婚は個人の成長や自己実現のための一つの手段であり、相互に成長し合う関係を築くことが重要視されます。


劣等感と優越感
 アドラーは人間が基本的に「劣等感」を持つ存在であると考えました。この劣等感は、成長のための動機づけとなり、人は劣等感を克服しようと努力することで自己成長を遂げます。しかし、劣等感が強すぎると自己否定や他者との比較によって苦しむ原因にもなります。恋愛や結婚においては、自己の劣等感を相手によって補おうとする傾向がしばしば見られますが、アドラー心理学ではそれは健全な関係性とはみなされません。むしろ、相手に依存するのではなく、お互いが自己の成長のために支え合い、共同で課題に向かうことが理想とされます。


共同体感覚
 アドラー心理学における「共同体感覚」とは、自分が所属する共同体(家族、社会、人類全体など)への帰属意識と貢献意識のことを指します。この共同体感覚は、人間関係や社会生活において不可欠な要素であり、恋愛や結婚もまた共同体感覚の上に成り立つものとされています。アドラー心理学では、恋愛や結婚は自己の利益や幸福だけでなく、相手や共同体全体への貢献という視点を持つことが重要であるとされています。


恋愛観:相互成長と共同課題
 アドラー心理学における恋愛観は、単なる感情や快楽の追求ではなく、自己成長と他者への貢献が重視されるものです。恋愛は一時的な感情の高まりだけではなく、より高い目的に向かうためのパートナーシップとして理解されます。


1. 感情ではなく「課題」としての恋愛
 アドラー心理学では、恋愛は「課題」として捉えられます。恋愛の中で人々が直面する課題とは、自己と他者との関係を築き、お互いに影響を与え合いながら成長することです。この視点では、恋愛は自己中心的な満足を求めるものではなく、お互いの成長を支え合う関係です。恋愛関係はお互いが持つ異なる価値観や信念、過去の経験を共有し、共通の目的に向かって協力する機会と捉えられます。


2. 相互の貢献と自己成長
 恋愛において重要なのは「相互の貢献」と「自己成長」です。恋愛はお互いに寄り添い合うことで、自己の劣等感や課題を乗り越える機会とされます。しかし、アドラー心理学の視点では、恋愛関係が自己の劣等感を隠すための手段であってはなりません。むしろ、劣等感を克服し、自己成長を遂げるために、相手に貢献し、お互いに支え合う関係性が理想とされます。


 例えば、恋愛の中でお互いが感情や悩みを共有することは、お互いの成長にとって重要なプロセスです。それは単に共感や慰めを求めるだけでなく、お互いの視点や考え方を理解し、自己の成長につなげるためのものです。このように、恋愛は個々の成長のための学びの場であり、自己実現のためのパートナーシップと考えられます。


3. 自立と協調のバランス
 アドラー心理学では、自立と協調のバランスが非常に重要視されます。恋愛関係においては、相手に依存しすぎず、かつ相手との協力を重視するというバランスが求められます。自己の意志や価値観を持ちながらも、相手の立場や感情を尊重し、共同の目的に向かって協力することが求められます。恋愛は互いに「補完」する関係であるべきであり、「依存」する関係であってはならないとアドラー心理学では主張されます。

 この視点から見れば、恋愛において自己の成長や相手への貢献という視点を失わないことが大切です。自己の成長を目指しつつ、相手と協力して共通の目標に向かうことで、健全で充実した恋愛関係を築くことができるのです。


結婚観:共同体感覚とパートナーシップ
 アドラー心理学の結婚観は、恋愛の延長線上にありつつ、より広い共同体感覚の中で考えられます。結婚は恋愛関係の成熟形として位置づけられ、より深い共同の課題に取り組むためのパートナーシップとみなされます。


1. 共同体の一部としての結婚
 結婚は二人の個人が単に一緒にいるだけでなく、社会の一部としての役割を果たすものとされています。アドラー心理学では、結婚は個人の幸福だけでなく、社会全体への貢献や他者との調和を追求するものとみなされます。そのため、結婚は「私たち」としての新しい共同体を形成し、その中で互いに役割と責任を果たしていくことが求められます。


 結婚において、夫婦はそれぞれの個性や価値観を持ちながらも、共通の目的に向かって協力し合うことが重要です。それは子育てや家庭生活の運営といった具体的な課題だけでなく、互いの成長や社会への貢献というより大きな視点からの協力でもあります。


2. 相互の信頼と尊敬
 結婚における健全な関係を築くためには、相互の信頼と尊敬が不可欠です。アドラー心理学では、結婚関係は対等なパートナーシップであるべきとされ、上下関係や支配的な関係は好ましくないとされます。互いに相手を尊重し、信頼し合うことで、夫婦は困難な状況や課題に対しても協力して乗り越えることができます。


 また、結婚関係においては、互いに違う価値観や考え方を持っていることが前提とされます。そのため、相手の意見や感情に対して理解を示し、相手を尊重する姿勢が求められます。対立が起きた際には、相手を非難したり支配したりするのではなく、共同で問題を解決する姿勢が重要です。


3. 子育てと社会への貢献
 アドラー心理学では、結婚は単なる二人の関係だけでなく、子育てや社会への貢献という広い視点からも考えられます。特に子育てにおいては、子どもを共同で育てるという大きな課題が生じます。この課題において、夫婦はお互いの役割を理解し、協力して子どもの成長を支えることが求められます。


 子育ては、アドラー心理学においても非常に重要な位置を占めています。子どもは両親の影響を受けながら自己のアイデンティティを形成し、劣等感を克服しながら成長していきます。そのため、結婚関係における夫婦の役割は、単に親としての責任を果たすだけでなく、子どもの健全な成長をサポートする環境を共同で築くことにあります。


4. 子どもの自立と共同体感覚の育成
 アドラー心理学では、子どもの育成において「自立」と「共同体感覚」の二つが特に重要視されます。自立とは、子どもが自己の価値観や能力を信じ、自分自身で物事に取り組む力を育てることを指します。また、共同体感覚は、他者との協力や貢献を通じて社会の一員として生きる意識を育てることです。


 結婚関係において夫婦が協力して子育てに取り組むことで、子どもは親の姿を通じて共同体感覚や自立心を学びます。例えば、夫婦が互いに尊敬し合い、信頼し合いながらパートナーシップを築いている姿を子どもが見て育つことで、子ども自身も健全な人間関係を築く力を身につけることができます。


 また、夫婦が子どもに対して一貫した愛情と支援を示しながらも、子ども自身の意思や選択を尊重する姿勢を持つことで、子どもの自立心が育まれます。アドラー心理学の立場からすれば、親は子どもの「道先案内人」であり、子どもが自己の力で成長し、社会に貢献できるようサポートする存在であるべきです。


5. 結婚生活における課題とその克服
 結婚生活はお互いの違いや困難な状況に直面することが避けられませんが、アドラー心理学の視点では、これらの「課題」を通してお互いが成長し合うことが重要視されます。特に、夫婦間での対立や価値観の違いは、そのまま問題視するのではなく、共同で解決すべき課題として前向きに捉えることが求められます。


 アドラー心理学では「課題分離」の考え方が用いられます。これは、どのような課題が自分自身のものであり、どの課題が相手のものであるのかを明確にし、自分で解決できる課題と相手の問題を分けて考えることです。結婚生活においては、お互いの課題に干渉しすぎず、相手を尊重しながら共同の課題に取り組むことが健全な関係性を築く鍵となります。


 また、夫婦間での感情的な衝突は、互いのコミュニケーションスキルや相手を理解しようとする姿勢によって克服されるべきものです。アドラー心理学では、相手を非難したり、過去の出来事に固執したりするのではなく、未来に向けての解決策や共通の目標を見つけることが重視されます。


恋愛と結婚におけるアドラー心理学の理想
 アドラー心理学の立場から見ると、恋愛や結婚は人生の大きな「課題」であり、「自己成長」と「他者貢献」を促進するための機会として捉えられます。恋愛や結婚は、単に自己の幸せや満足を追求するものではなく、相手と共に成長し合い、社会全体に対して貢献することを目的とするものです。この視点に立てば、恋愛や結婚は困難な状況や対立を乗り越える中で、自分自身と相手の両方がより豊かになるためのプロセスであると言えます。


アドラー心理学の理想的な恋愛や結婚関係は、以下の要素で構成されます。


対等なパートナーシップ
 アドラー心理学では、恋愛や結婚において上下関係や支配的な関係は避けるべきとされ、対等なパートナーシップが重要視されます。お互いが対等な立場で尊重し合い、信頼し合うことで、健全な関係が築かれます。


相互の貢献と成長
 恋愛や結婚は、相手に対する貢献を通じて自己成長を遂げる場と捉えられます。相手の成長をサポートしながら、自己の成長も促進する関係性が理想です。そのため、相手に依存するのではなく、お互いが自立しながらも協力し合うバランスが大切です。


共同体感覚の共有
 アドラー心理学では、恋愛や結婚は共同体感覚のもとに成り立つものとされます。すなわち、恋愛関係や結婚関係は、二人だけのものではなく、より大きな社会や共同体に対する貢献や調和を目指すものです。そのため、夫婦は互いの成長だけでなく、家庭や社会に対しても貢献し、より良い共同体を築くための努力をすることが求められます。


課題に対する前向きな取り組み
 恋愛や結婚において生じる困難や対立は、「課題」として捉え、前向きに取り組むことが重要です。アドラー心理学の視点では、課題を克服することで自己と相手の成長が促進され、より充実した関係を築くことができます。課題解決においては、お互いの感情や価値観を尊重し、共通の目標に向かって協力する姿勢が求められます。


子育てと社会への貢献
 結婚は、夫婦間だけでなく、子どもや社会への貢献という広い視点からも考えられます。子育てにおいては、夫婦が協力して子どもの自立心や共同体感覚を育む役割を果たすことが求められます。また、夫婦が社会に対しても積極的に貢献し、他者との調和を重視することで、健全で幸福な家庭と社会を築くことができるとされています。


結論
 アドラー心理学の恋愛観と結婚観は、自己成長と他者貢献、共同体感覚を中心に据えたものであり、感情的な満足や自己の利益だけにとらわれない非常に包括的な視点を提供しています。恋愛や結婚は、自己と他者が共に成長し合い、困難な課題に取り組みながら豊かな関係を築く場であると考えられます。アドラー心理学の視点では、恋愛や結婚を通じて自己の劣等感を克服し、自己の目的に向かって前向きに生きるとともに、他者や社会への貢献を通じて共同体感覚を育むことが理想とされています。


 そのため、アドラー心理学に基づく恋愛や結婚のあり方は、互いの違いを理解し、相互に成長をサポートする対等なパートナーシップを築くこと、そして共同の目的に向かって協力し合い、社会全体への貢献意識を持つことが重要であると結論づけられます。

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