大前提として、結婚は「就活」などと同様、自分から積極的に活動して手に入れるものだという主張である。そこで山田と白河が想定しているのは、リッチな男性を捕まえることではない。そうではなく、女性が望む高収入の結婚相手はもはや多くないのだから、夫に経済的に依存する結婚（昭和結婚）ではな...

　結婚活動、略して「婚活」。流行語になったその略称が生まれたのは、少子化ジャーナリストの白河桃子が、社会学者・山田昌弘に対して「AERA」２００７年１１月５日号のためのインタビューを行っていたときのことだったという。山田はそれまでにも「パラサイト・シングル」、「希望格差社会」とい...

　恋は目的になった時に死ぬ。目的になった時、恋は時間つぶしの役目に落ちてしまうのだ。恋が息詰まる感動を伴って花咲くのは、それが戦う男の心の支えとなっている時だけだ。　今の女性は、恋を知らない。自分が誰によって最も恋されているかを知らない。　今の女性は、自分を遊びに連れて行ってくれ...

　恋とは目的とはなり得ないものだ。恋自体が目的となり、その恋を遂げるためにいろいろのことをはじめ、そしてその恋が遂げられた時には、恋は恋であることをやめるに違いないのだ。　恋とは、理想のごとく永遠に胸に秘められたものであり、決して到達すべき地点ではないのだ。虹のように、そこに行っ...

「分別を忘れないような恋人は、そもそも恋人ではない」（トマス・ハーディ）　恋について理屈を言い出したら、もはやその人は恋することはできない。恋している人に理屈をいう人は、きっと恋して悩んで苦しんだことのない人だろう。　そしてさらに、女性の美しさについて、片恋の可憐さを思う。　ある...

　人間は複雑な動物である。様々な欲求が絡み合って出来ている。人間であるあなたは、複雑な感情の中で生きている。「異性への愛」も、他の動物のように単純明快なものではない。　異性を求める気持も、羞恥心や虚栄と絡み合う。男性が、女性の前で、どれだけ虚勢を張っているかは、女性には到底、想像...

　我々は好きな人の前で、なんと自分を飾ることだろう。好きな人の前で、どうして正直になれないのだろう。　些細なことでケンカし、つまらない意地を張り、そして失われていく青春がなんと多いことだろう。　自分の好きな人が、誰か他の人とデートしたといって、ヤキモチを焼いて許せない。そして、こ...

「みずから苦しむか、もしくは他人を苦しませるか、そのいずれかなしには、恋愛は存在しない」（レニエ）　全ての恋が、そのように苦しんだり苦しませたりというものだとは思わない。しかし、許されざる恋をした人は苦しむより仕方ない。　恋人のいる人を恋したら、自分が苦しむか、相手を苦しめるか、...

　嫌いな言葉だが、「英雄、色を好む」というのがある。「色」という言葉が嫌いなのだ。　「色」を「恋」に改めればよい。　「英雄、恋を好む」　　しかし、この言葉は逆なのだ。英雄だから恋をしたのではない。恋をしたから英雄になったのだ。恋をしたからこそ、ふるいたったのだ。　ゲーテが恋をしな...

　紫式部が書いた「源氏物語」は一見恋愛もののようで、その行間には彼女の人生観が滲み、時には朝廷批判も混ざります。「紫式部日記」を読むと、「重い御輿を担ぐ身分の者と自分に何の違いがあろうか」と記しています。紫式部と並び称される清少納言は自然描写やユーモアのセンスがあって「枕草子」に...

　激しく恋するのでなければ、わずかなもので満足できよう。しかし、その人の今までの人生観、世界観を根本から揺り動かすほど激しく恋してしまったら、人間は決して僅かなもので満足しはしない。だがしかし、満足しなければならないのが人間なのだ。そして、その満ち足りようとする気持を外に向けてい...

　現代人は、本当の恋とは悲哀であるということを認めようとしない。そんな現代人であればこそ、人生の無意味感、無関心に苦しむのは当然なのである。　永遠の恋は、別離の悲哀である。悲哀をナンセンスという現代の青年であればこそ、「永遠」もまた同時に失わねばならなかったのである。　厳しさの中...