名演奏とは何か
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クラシック音楽のハードルの高さの一つは、作品名の抽象性や作曲家の多さと並んで、演奏家名の多さにある。ただでさえ作曲家が多い上に、誰々作曲の何々の誰々の演奏はスゴイ!みたいな話になるから、話のややこしさが倍増してしまう。
だが重要なのは、誰々の演奏が焦点化するとはいっても、どの作品であるかを全く無視するわけにもいかないという点である。演奏家とは寄生虫のようなものであって、既成の作品に寄りかからないことには商売にならない。しかし、だからといって、作品を完全に換骨奪胎してしまい、自分自身が主人公になって好き勝手をしたりしてはいけない。このあたりがクラシックの演奏家稼業の難しさである。
アメリカで活躍し一世を風靡した、ストコフスキーという指揮者がいた。彼はディズニーの有名な音楽アニメ「ファンタジア」の演奏を担当したことでも知られた人であったが、オーケストラの魔術師として名高かった。好き勝手にテンポをいじり、何の曲だろうがやりたい放題のゴージャスサウンドがストコフスキーのセールスポイントであった。もちろん彼の演奏はそれなりに面白いし、指揮技術の点では圧倒的であり、また一種のカリスマ的人気を誇ってはいた。それでもストコフスキーの演奏はせいぜい怪演であって、決して名演とは言えなかっただろう。
カリスマ的名演に特徴的なのは、恭しさとは真逆の、作品を呑んでかかるがごときエグ味である。作曲家に向かってなんら臆することなく、要するにこうやればいいんだろう!?こっちのほうがもっといいだろう!?と言い放つようなふてぶてしさ。これがない名演はありえない。この点について、ホロヴィッツに面白い逸話が残されている。彼はラフマニノフのピアノ・ソナタをおはこにしていたのだが、いつもそれを自分流にカットし、アレンジを加えて弾いていた。ただしホロヴィッツは生前のラフマニノフと親交があり、作曲者自身の前でこのアレンジ版を弾いてみせたところ、ラフマニノフから私の書いた楽譜よりお前のアレンジの方がいいとお墨付きをもらったというのである。
カリスマの激減がはっきり印象付けられたのは、1990年前後だったように思う。象徴的なのはカラヤンやバーンスタイン、ピアノではホロヴィッツやゼルキンやアラウの死である。これが冷戦時代の集結とほぼ一致しているのも面白いが、何より注目すべきは、これらの文句なしの巨匠たちが、ほぼ同じ世代に属していたことである。日本でいえば明治末期、世界的に言えばプレ第1次世界大戦世代なのである。
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