ショパン「雨だれのプレリュード」の起源

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 ジョルジュ・サンドはショパンの死後に出版された「わが生涯の歴史」に於いて、次のようなエピソードを語っている。これが有名な「雨だれのプレリュード」の起源である。
 あの朝、具合の良かった彼を置いて、モーリスと私は逗留生活に必要な品物を買いにパルマに行きました。雨が降り出し、急流が氾濫し、3リュー(12キロ)の道を6時間かかって洪水の中を帰りました。御者に途中で置き去りにされ、今まで聞いたこともないような危険を通り抜けて、夜遅くなって裸足で帰宅したのです。
 我々は病人が心配するのではないかと急ぎました。果たして病人はひどく心配していたのですが、一種静かな絶望に陥っていたようで、彼は涙を流しながら、すばらしいプレリュードを弾いていました。我々が入って来るのを見ると、大きな声を出して立ち上がり、取り乱した様子で奇妙な調子で我々に言いました。「ああ、僕はあなた達が死んだのをちゃんと知っていた!」と。
 気を取り戻して我々の姿を見ると、我々が遭遇した危険な光景をまた思い出して、彼は気分が悪くなりました。実は、帰りを待っている間に、我々が危険に合っている光景を夢に見て、夢と現実の区別ができなくなり、ピアノを弾いて気を落ち着かせ、あたかも自分をまどろませるようにして、自分もまた死んでいるのだと自分に言い聞かせていたのだと後で私に打ち明けました。彼は自分が湖で溺れているのを見たのです。そして、重い氷のような冷たい水滴が、胸の上に規則正しい間をとって落ちていたのです。
 屋根の上に、事実、規則的な間隔をとって落ちている雨の音に注意を促しますと、彼はそんな音は聴かなかったと言いました。私が模範的和音という言葉で表現した時には、なお気を悪くしました。彼は全力で抗議しました。耳に対するこのような模範の幼稚さということでは、彼に道理がありました。彼の天才は自然の神秘的な和音に満ちておりますが、それらの和音は、崇高さをもって彼の楽想の中に置き換えられたもので、外界の音の創意のない模倣によってではないのです。その夜の彼の作品は、修道院のよく響く瓦の上に落ちる雨の音に満ちていましたが、その雨の雫は、彼の想像と音楽の中では、天から彼の胸の上に落ちる涙に変わっていたのです」
 彼女は「わが生涯の歴史」に、彼は全く気力を失い、妄想の不安を制する事ができず、修道院は彼にとっては具合の良い時でさえ恐怖と幻影に満ちていたと書いている。だが、現存する彼らの当時の手紙や旅行後3年近くたって出版された「マヨルカの冬」には、このような状況を伝える記述はないのである。

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