19世紀音楽に於ける「感動」の誕生
真面目な演奏会文化が栄えたのは主としてドイツ語圏で、その中心ジャンルは交響曲であり、その主たる聴衆は謹厳実直な中産である。グランド・オペラやサロン音楽が最も繁栄したのはパリで、ここでは音楽はステータスシンボルの一種であり、社交界のスノブたちが主な聞き手である。表面的な対立にも関わらず、この2つの音楽文化の間には1つの共通項がある事を見落としてはならない。それは、19世紀音楽史の最大の共通分母と言える「市民を感動させる」ということである。コンサートホールで目を閉じてブルックナーの交響曲のアダージョに真剣に耳を傾ける聴衆も、シャンデリアきらめくサロンでショパンを耳にしながらセレブリティになった気分に浸る社交界の人々も、共に煩わしい世事と労働の垢にまみれた日常からの解放を求めた。何か心を洗い流してくれる清らかなものを、夢と感動とファンタジーを、あるいは癒やしを、魂を揺さぶる何かを、音楽の中に見出したのである。19世紀に於いてこのように大量の幻想とか夢といったタイトルを持つ曲が作られたということが、この事情を何よりも雄弁に物語っている。労働する市民のための夢と感動を与えてくれる音楽もまた、19世紀になって初めて生まれた音楽の新しいあり方である。
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