うら若き教え子に次々と惚れたベートーヴェン
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ベートーヴェンは非常に恋多き男であった。惚れっぽいタチであったのだろう。彼は20代の終わり頃から多くの貴族の女性達にピアノのレッスンを行って、そのうら若き教え子に次々と惚れてしまう。最初のきっかけは28歳の時である。1779年5月、ウイーンにやってきたハンガリー貴族のテレーゼとヨゼフィーネのブルンスヴィク姉妹との出会いだった。ベートーヴェンは数日に渡って二人にピアノのレッスンをしている。これを機にブルンスヴィク家の人々と親しくなったベートーヴェンは、その後もテレーゼやヨゼフィーネと交流を続けることになる。
所詮は結ばれぬ関係とはいえ、ベートーヴェンとヨゼフィーネは確かに親密な仲だった。二人が交わし合った手紙やその下書きなどがそれを物語っている。例えばヨゼフィーネがベートーヴェンに宛てた手紙の下書きには、次のように書かれていた。「あなたに関するすべてのことに、生きている限り心から関心があるので、ご様子を教えていただきたいのです」会いたくても会えない。だからせめて、手紙がほしい。なかなか泣かせる手紙である。
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