恋に燃えた男は

　男の命は、トランプの切り札請求（ジョーカー）の使い方と同じである。最後までとっておいてもまったく有効でない時もあるし、途中で使ってもまったく無駄な時もある。しかし、その使い方ひとつで、ものすごい力を発揮する。

　けれども命を捨てる時は勇気がいる。その勇気がもっともわくのが恋に燃えている時なのだ。

　男は恋をすれば、どのような困難にも危険にも立ち向かっていく勇気を持つ。

　もしあなたの恋人が、あえて困難に挑戦する姿勢をもっていないなら、残念ながらあなたは真剣に恋されてはいないのだ。

　どんなにあなたを喜ばすようなプレゼントをもらっても、どんなにやさしく、いつも「この服、きみに似合うよ」などといわれても、どんなに甘く「愛してるよ」などといわれても、断じてあなたは恋されていない。

　もっとも、あなたが恋されることを望んでいるのは、男ではなくオスなのだから、そんなことは問題ではないかもしれない。