前衛音楽、巨匠の名演、ポピュラー音楽
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20世紀後半の音楽史風景は、「3つの道の並走」として眺められるべきである。これらの間にはほとんど接点がないように見えるが、実はいずれも19世紀の西洋音楽が生み出したものである。第1の道とは公衆を拒絶するヒステリックな不協和音と極度に難解な構造を持つ前衛音楽の系譜である。「作品史としての芸術音楽史」の直接の延長線上にあるのはこれである。しかしながら作品史としての芸術音楽史の存立は、第2次世界大戦後に於いては、もはや自明ではない。言い尽くされたことではあるが、前衛音楽に於ける公衆の不在である。この数十年ばかりの現代音楽は、再び公衆へ接近しようとしてはいるが、疑いの余地ない成功を収めるには至っていない。すでに100年近く前に作られたシェーンベルクの作品からしてそうなのだが、第2次世界大戦以後の前衛音楽で、いわゆる演奏会レパートリーに定着した作品は皆無に近い。せいぜい時々思い出したように再演されてはまたも埋葬されるのが関の山であって、歴史と公衆の審判を文句なしにくぐることが出来た作品数が、第2次世界大戦後になると激減するのである。
そして第3に、これまた西洋音楽が20世紀に於いて生み出した系譜の1つとして、アングロサクソン系の娯楽音楽産業を挙げたい。19世紀とは西洋芸術音楽が世界を制覇した時代だったとすれば、この音楽世界帝国を20世紀後半に於いて引き継いだのがポピュラー音楽である。そしてポピュラー音楽ののルーツもまた、意外に思われるかもしれないが、19世紀の西洋音楽、とりわけ世紀後半に大量に作られたミュージック・ホールやサロン音楽の類にある。これらが新世界でアフロ・アメリカの音楽と結びついて生まれたのが、現代ポピュラー音楽の遠い祖先、つまりいわゆるティン・パン・アリーの音楽だったり、ラグタイムの類だったりしたわけである。19世紀末から多くの楽譜出版社がマンハッタン五番街とブロードウェイの間、ティン・パン・アリーと呼ばれる通りに集まり始めたのだが、ティン・パン・アリーの音楽とはここから発信された音楽を指す。実際ポピュラー音楽の大半は、特に旋律構造や和声や楽器の点で、19世紀のロマン派音楽をほとんどそのまま踏襲しているといっても過言ではない。また、市民に夢と感動を与える音楽という美学もまた、そっくりそのまま19世紀の西洋音楽から引き継がれたものだ。感動させる音楽としてのロマン派の延長線上にあるのが、ポピュラーなのである。クラシックとポピュラーは地続きであって、決して世間で思われているほど対立的なものではない。
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