婚活論0・0への胎動〜三浦朱門と林真理子

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後に文化庁長官となる作家・三浦朱門は、1980年の著作の中で次のように述べている。


 簡単に言えば、女性はまず自分の力で立つことである。先年来、未婚の母という言葉が、殊に女性の間にショックをおこし、同時に割合と好意を以て迎えられたのは、桐島洋子さんが何よりも精神的に自立していたことである。社会的にも対男性的にも、自立し、依存せずに〜物質的ばかりでなく、精神的な面からも〜生きてゆく女性だけが、たとえ人工授精でなくとも、試験管ベビーでなくとも、自分の力で子供を産み、家庭の長として、子供たちの保護者としての地位を確立できるのである。


 だが、こう書いたあと、三浦は「しかしこれは極めて危険な道で、女性にとっての罠になる」と注意を促す。男性中心につくられた社会のなかで自立することはひどく難しい。むしろ「社会の伝統や慣習を無視するのが自立ではなくて、それを知り尽くし、利用しながら、しかもそれらから自由であるのが真の自立である」と、一転、旧来的な女性像の擁護に走ることになる。


 男性の中には、夫として父として落第でも、社会的には立派な業績をあげる人がいる。逆に、社会的には敗残者でも、良き父、良き夫である人もいる。そして、良き父、良き夫であり、社会的にも大きな業績をあげるということは言うは安くして困難な道である。


 女性も同じであって何故いけないのだろう。良き妻、良き母で、しかも社会的な活躍をしたいという願いが無理であるなら、昔ながらの、社会的には無名で無力でも、良き妻良き母という生き方は依然として尊いのだし、社会的活動に力点を置くなら、妻・母としては不十分な存在になるかもしれない。その結果生じた不如意を、女性が解放されていないからだとのみ、社会と男の無理解を責めることもあるまい。つまり、男からも社会からも自立して生きる、というのはカッコイイことではあるが、そうまでする必要はなさそうである。
 (三浦朱門「結婚なんかおやめなさい」1980年)


 他方、女性の側からクロワッサン症候群に抗って結婚の価値を強調していたのが、当時エッセイストとして名を馳せていた林真理子であった。林は「結婚したい」と名言していた。不遜と言われようが、妄想と言われようが、なんとでも言え。私は結婚したいんだ。逆らってみろ、返す刀で討ち取ってやる。当時の林の文章にはそんな殺気がみなぎっている。作家・落合恵子を仮想敵にしながら、林は「私は結婚を無邪気に信じられない女が、はっきり言って大嫌いである」とまで宣言していた。


 とはいえ、林は純愛に心躍らせていたわけではない。彼女は結婚が幸福ではないということを認めながら、それでも永遠に継続する幸福なんてものはそもそもないのだから、「不幸と幸福をこんなに入り乱れて味わう事ができる人生、それはやはり結婚しかないではないか」というロジックで結婚を是認したのである。ここで、結婚しなくても不幸も幸福も入り乱れるでしょうなどというつまらない反論はするまい。とにかく、林真理子の結婚論には「なんでもみてやろう」的ハングリー精神が伏流していた。

 
 そして時代は「クロワッサン」ではなく、林真理子の方向へと流れた。「クロワッサン」の星であった桐島洋子までもが82年に結婚してしまうと、「クロワッサン」も結婚を意識せざるを得なくなった。思い返してみれば、桐島は結婚するかどうかは重要じゃないと言っていただけで結婚することを否定していたわけではなかった。とは言え、「クロワッサン」に熱狂していた若い女性たちは、結婚しないという外形から桐島のライフスタイルに近づこうとしていたから、「クロワッサンの時代に」に婚期を逸してはしごを外された者もいた。


 時代は、いつの間にか結婚や妊娠を歓迎するムードに変わっていた。松原は、「ひと昔前までは、女優は子供を生むことを隠していたものだった。それが、今は、子供を生んだことがステイタスになっている」と80年代の時代の変化を的確に指摘している。竹下景子、松田聖子、アグネス・チャンらは子を生んでステータスを得た女性芸能人の代表格だった。


 あたしの20代の頃(中村うさぎは58年生まれ)って、フェミニズムにガンガン洗脳されてたから、専業主婦になるのはイヤで、自分の能力なりで自立して、社会的に認知されるのが理想だったの。でも、それって想像するだけで、あまりにもハードルが高そうで腰が引けてさ。どっかで「無理なら、結婚すればいっか」みたいに思っていたのは、確か。そこなんだよね、女子の楽さは。
 (中村うさぎ・三浦しをん「女子漂流」2013年)


 そこに登場し、「婚活0・0」を主導したのが雑誌「結婚潮流」だった。





















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