男性を「責める」より「許す」ほうにエネルギーを使おう

　男性は、自分が犯した失敗によって相手の女性がひどく動揺したのを見ると、彼女に向かって激しく怒りをぶつけることがある。

　彼自身の心理的な動揺の度合いは、犯した失敗の規模や重大性に比例してくる。さしたる影響力のない小さな失敗であれば、彼はさほど自分の身を守りにかかろうとはしないが、自分ばかりではなく周囲にも大きな影響を及ぼすような重大な失敗をした時には、完璧な自己防衛態勢をとるようになる。

　場合によっては、男性が大きな失敗を犯した時に素直に謝らないことがどうにも不可解な場合があるはずだ。その答えは明らかである。彼は、許してもらえないのではないかということを極度に恐れているからだ。

　彼女を失望させてしまったということを認めるのは、実に苦しいことなのである。だから、彼は決して彼女に謝ろうとはしない。それどころか、やり場のない怒りを彼女に向けてしまうのだ。彼女が自分の失敗によって精神的な動揺をきたしたことに八つ当たりをし、罰則点まで科する。

　こんな時、女性はいったいどのように対応すればいいのだろうか？

　もし彼女がそういう状態の彼を、一過性の大竜巻のように扱い、通り過ぎるまでじっと身を地面に伏せながら耐えていることができるならば、彼は通り過ぎた後になって必ず彼女にビッグなボーナス点を与えてくれるはずだ。

　彼が自制心を失って大竜巻のごとくに荒れている間に、彼女は彼を非難もせず、態度を改めさせようと働きかけもせずに、そっと見守っておいてくれたからである。もし、彼女が大竜巻に立ち向かっていったならば、悲惨な被害があっただろう。彼は、妨害されたことを激しく非難してくる。

　これは、多くの女性が心しておかなければならない知識である。なぜならば、女性の常識では誰かが落ち込んだ時、女性たちは決して彼女を無視することなく、身を地面に伏せて回避しようともしない。誰かが苦しんでいたら、周囲の全員が彼女が巻き込まれた問題についてあれこれと質問を浴びせかける。

　だが、男性は大竜巻が起きると誰もが隠れ家を探し出し、その中に身を沈めて、やっかいな出来事が通り過ぎるのをじっと待つのである。

　お互いにそれぞれの採点基準の違いを熟知し合えば、現在の関係をもっといい形へと発展させていくことも出来る。そればかりか、私たちが既に費やしてきたような莫大なエネルギーを必要とはしない。そのコツさえ心得ておけば、ずっと少ないエネルギーで事が足りるし、最愛のパートナーとうまくやっていくことは、そんなに難しいことではないのである。