19世紀の象徴としてのピアノ

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 コンサート中にピアノの弦が切れた瞬間の音は凄まじい。

 それが低音弦であれば、ガン!というハンマーで砕かれたような強烈な音がする。ピアニストだけでなく、関係者にとっても、背筋が凍りつくような瞬間である。この時、ピアノの弦が、いかに強大な力で張られ、ものすごい重さを支えているかが、改めて実感できる。

 現代のピアノには、約230本の弦が使用されている。素材は特殊鋼鉄で、低音から高音まで総計で約20tもの力で張られる。しかも、この特殊鋼の弦は、張力をかけても、伸びて張力を低下させないという優れた特性を持っている。

 20tといえば、小型自動車約20台分にも相当する重さである。それを旧式の木製フレームで支えるのは、とても不可能だ。そこで強固な鋳金鉄のフレームが登場した。ピアノ弦の素材もそうだが、金属部分だけでも、それを開発するために、最新鋭のマテリアル研究と工作技術を要することを思えば、ピアノという楽器が、いかに高度なテクノロジーに支えられているかが分かる。

 なぜ、一つの楽器に、そこまでする必要があったのか。理由は、巨大化させること。それだけだった。

 ピアノは、小さな部屋で弾かれ、たった一人で楽しむ楽器から、数千人の大ホールを埋め尽くす聴衆を、たった1台で満足させる楽器にまで巨大化しなければならなかったのだ。

 ピアノは、西洋の歴史で初めて、それまでの楽器のように、工房で「製作される」楽器から、工場で「生産される」楽器となった。

 ピアノは、独奏楽器としてだけではなく、教育楽器として、伴奏楽器として、19世紀以降のほとんど全ての音楽活動の王座に君臨した。

 ピアノは、19世紀の象徴と言われる。

 人々の暮らしが、木や土など自然素材を中心とした「文化的」なものから、金属や機械など「文明化」されたものに大きく移行しつつあった19世紀にあって、「文化」としての木工楽器製作技術に、「文化」としての産業革命の象徴「鉄」のテクノロジーを、初めて一つに融合させた楽器がピアノだった。

 「文化」という肉体と「文明」という骨格を与えられたピアノが、19世紀の象徴と言われたのは、単なる楽器であることを超えて、「19世紀」が持つ様々な意味を担う存在だったからだ。

 ピアノは、19世紀のヨーロッパ経済を支え、19世紀のヨーロッパでもっとも巨大で、重要な商品の一つだった。爆発的に増え続けた需要を武器に、繁栄を極め、巨大化したピアノ産業は、様々な技術開発と、生産技術の向上と、マーケティング手法が複雑に絡み合った、近代ビジネスのモデルでもあった。

 現代の堂々としたピアノは、精密機械さながらの複雑なメカニズムを持った巨大な楽器である。そこには、もはやメディチ家の楽器工房で産声をあげた頃の、貧弱な面影はない。

 堂々とした現代ピアノが、コンサートホールに君臨する一方で、未だに古いピアノを演奏し続けるピアニストもいる。愛好家の数は、年々増加しているとも言われる。巨大化する過程で、ピアノは楽器として大切なものを失ったのだという説もある。

 楽器は、音の器である。それは時代という音を奏でる器でもある。

 ピアノは一つの究極であり、一つの終焉でもあった。

 なぜなら、近代ピアノの完成以降、ヨーロッパは新たな時代を奏でるための楽器を、ついに誕生させることはなかったからである。

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