ワーグナーは、ドイツに伝わる神話や伝説をもとにしたオペラを自分で台本も書いて作った。これも文学と音楽の融合だ。ワーグナーはこれを一人で成し遂げたが、多くの作曲家は小説や戯曲を音楽にしている。同じ原作が複数の音楽作品になった主なものを挙げる。
ヴェルディはシェイクスピア作品を原作としたオペラを台本作家にオペラ用に脚色させた。最も名作とされるのが1887年初演の「オテロ」(原作は「オセロ」と表記される)。他に「マクベス」「ファルスタッフ」もシェイクスピアが原作。
シェイクスピア作品を音楽にしたものは多い。「オセロ」はヴェルディよりも前に、ロッシーニも1812年に「オテッロまたはヴェネツィアのムーア人」というオペラにしている。
若い男女の悲劇「ロミオとジュリエット」は何度も映画にもなり最近はミュージカルにもなったが、昔からオペラになっている。有名なものだけ挙げると、ヴィンチェンツォ・ベッリーニのカプレーティ家とモンテッキ家」が1830年初演、シャルル・グノー作曲の「ロメオとジュリエット」は1867年初演だ。オペラ以外でも、ベルリオーズが劇的交響曲「ロメオとジュリエット」を1839年に、チャイコフスキーが幻想序曲「ロメオとジュリエット」を1869年に書き、プロコフィエフは1936年にバレエにした。
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